梅肉エキス・梅エキスが出来るまで

梅肉エキス(梅エキス)・梅干しの製造販売 不老梅本舗 林圓三郎商店
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梅肉エキスの製造工程

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梅肉エキスがどうやって作られるかご存知ですか?

梅肉エキスの作り方はとてもシンプル。
青梅の種を取り除き、実だけを砕き、その果汁を絞って煮詰めるだけ。
ご家庭で手作りされる方もいらっしゃいます。
でもその労力と時間は相当なもの。
おまけに沢山の青梅を使っても梅肉エキスに仕上がるとその量はほんのわずか。
「え?これだけ!?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか?
それだけ梅肉エキスには青梅のチカラがぎゅっと濃縮されているのです。

不老梅ではご家庭で作るのと同じような方法で作っています。
でも、そこには初代から受け継がれた伝統の技が詰まっています。
機械任せでは絶対に出来ないこの品質。

それでは「不老梅の梅肉エキスが出来るまで」をじっくりとご覧下さい。

和歌山の青梅

まずは素材から

梅肉エキスは青梅の収穫時期(5月末〜6月)にしか作ることが出来ません。
この期間は朝早くから夜遅くまで大忙し!
私が子供の頃は、青梅を砕く機械の音が目覚まし代わりでした。

製造中は毎日約5トンの青梅がトラックで運ばれてきます。
不老梅ではみなべ町近辺の梅農家さんが手で一粒ずつもぎ取った新鮮な青梅を使います。 写真を見てお分かりのように、熟していない青い梅ばかり。
梅は熟すと黄色く色づいてきます。熟すと果肉が果汁に混ざり、又、糖分が増すので本当の良質な梅肉エキスにはなりません。

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つぶし機に青梅を入れていきます

種を取って実を砕く

青梅は「つぶし機」という機械に入れると、種を取り除いて果肉だけが細かく砕かれて出てきます。

この機械は初代の圓三郎と製薬会社が考案して作ったオリジナル。
機械といっても、青梅を入れるのは手作業なので見た目以上に大変な労力と時間を費やします。種ごと砕くと作業時間は大幅に短縮できますが、品質や味に大きな差がでるのでわざわざ種を取り出します。
食べてみるとその差はよく分かります。種を取ることによって雑味がなく梅本来の純粋な味となるのです。ちなみに、取り除いた種は苗屋さん(この種を育てて苗木にするのです)や有機肥料として農家さんに引き取られています。

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舟入れも大切な工程です

舟入れ

砕いた実が集められて、果汁を搾る作業へと移ります。
その為の準備も大切な工程の一つ。

木綿の袋に実をポンプで吸い上げて詰めていきます。
一袋に約20kgの果肉が入ります。
それを店主が大きな搾り機(舟)に丁寧に積み重ねていきます。
これが「舟入れ」とよばれる作業。上手に積まないと荷崩れしてしまい、果汁をしっかり搾りだすことが出来ません。

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果汁

果汁を搾ります

袋を積み重ね終わると果汁を搾りだします。
上から大きなフタをして圧力をかけながらぎゅーっと押し込んでいきます。
いきなり圧力をかけると袋が裂けたり破れたりする可能性があるので、様子を見ながら少しずつ少しずつ圧力をかけ、約7時間かかって搾り終えます。

この後、袋に残ったかすを全部出します。
この絞りかすもいい肥料になるので有機栽培をされている農家さんが引き取りに来ます。廃棄物が出なくてすむし、肥料として有効利用されるなんて、青梅ってすごい。

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あく取り作業

煮詰めます

さて、いよいよ煮詰めの工程に入ります。
ステンレスの大きな釜でひたすら煮詰めます。
この段階では4つある釜がフル稼働。

6月の蒸し暑さの中、火を焚くのですから、その暑さといったら・・・

あく取り作業も欠かせません。
あくも梅肉エキスの品質に大きく影響するからです。

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タンクに一次保存

一次工程終了

長時間煮詰めたところで火を止めます。
でもまだ完成ではありません。
梅肉エキスのどろ〜っとした感じではなく、少し粘り気のある状態です。
これを一度大きなタンクに移し変えて「仕上げ」が始まるまで保存しておきます。

ここまでが一次工程。青梅が入荷される間、この工程を毎日繰り返しています。

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温度を測ったり、あくを取ったり

最も重要な仕上げ

青梅の入荷が終わると「仕上げ」が始まります。
最も神経を使う工程です。

一次工程ではたくさんのスタッフと一緒でしたが、ここからは店主独り。
タンクに一次保存しておいた果汁を釜に戻し、火を点けます。
溢れたり、焦がさないようにつきっきりで汗だくになりながら火の番をします。

じっと釜の状態を見守り、時にはかき混ぜたり、丹念にあくを取り除いたり、温度を測ったりしています。一次工程では4つの釜を使いましたが、仕上げでは1つしか使いません。1つの釜に全神経を集中させる為です。決まった火力で○時間煮詰めれば完成。
という訳にはいきません。

ひたすら煮詰めますその時の青梅の状態、天候、気温や湿度によって、沸きあがる間隔、表面に出る泡の状態が違うので同じ日は一日もありません。
当然、火を止めるタイミングも毎日変わってきます。

そのタイミングを見極めるのは目と鼻。
泡の状態と匂いで見極め、火を止めます。
まさに長年培った経験が頼り。

火を止めたら梅肉エキスの完成・・・ではないのです。

ここからが店主一番のこだわり。

釜の余熱だけでじっくりじっくり約10時間煮詰めます。
余熱でも沸いたり、焦げたりするので、最初は10分おきに大きな木のへらで混ぜます。
それが20分おきになり、9時間くらい経ったら半時間に1回くらい混ぜてようやく完成となります。

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釜の前に立つ店主

ついに梅肉エキスが完成しました

ついに純梅肉エキスが完成しました。
光沢があってとてもきれいです。

この瞬間やっと店主の険しい顔が安堵の表情へと変わります。すべての果汁を梅肉エキスに煮詰めあげるまで、毎日釜の前に立ち続けます。

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梅肉エキスの製造風景

梅肉エキスは加熱時間が大切

初代から80年受け継がれる伝統製法で、店主が20時間以上もの加熱時間をかけて作る梅肉エキス(梅エキス)は、青梅1kgからわずか20gしか作れない希少品。

原料は和歌山産の良質の青梅のみを選び、その種を取り除いて絞った果汁を何日もかけて、じっくりじっくり煮詰めて作っています。

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